見どころ満載!国際色豊かな祭典(前編)

 2023国際ロボット展(iREX)には、海外から過去最大の約121社の企業が出展。会場のいたるところで、国際色豊かに商談が繰り広げられている。中国、台湾や韓国のほか欧州、米国などの企業が自国や日本法人から出展し、ブランド認知に加えて技術力の訴求を行っている。

台湾ロボットの総合ソリューション

  • 原見精機のロボット装着センサー
  • 立普思は米エヌビディアのアクセラレーターを活用したテクノロジーを提案

 「台湾スマート自動化とロボット協会(TAIROA、絲国一会長)」は、TAIROAパビリオンの5社とハイウィンなど3社の合計8社で「台湾ロボット展示館」として、要素技術や製品を紹介している。

 TAIROAパビリオンからは5社が出展している。

 原見精機(MechaVision、台北市)は、ロボットアームなどに装着するセンサーを出品。ロボットの稼働時に接触すると、自動で停止。人体を保護する。

 立普思(LIPS、台北市)は米エヌビディアのアクセラレーターを活用し、3次元(3D)技術と人工知能(AI)による高速情報処理と伝送テクノロジーを提案している。

 泓記精密(TRICORE、台中市)はロボット用の独自構造を採用したモーターを展示している。出力電圧8・4ボルトで85・9キログラムのトルクを実現する。

 瞻営全電子(DMPエレクトロニクス、新北市)は日本法人のICOP I.T.Gと共同で3軸センサーやサーボモーターなど多彩な製品を紹介している。

 超恩(Vecow、新北市)は無人搬送車(AGV)に搭載することで、位置やAGV周辺の環境情報が正確に取得できる地図マッピング用データ収集キットや装置実装用AI搭載エッジコンピューターを展示している。








  • 8軸で継ぎ手溶接の自動化を実現

 ハイウィンは独自ブースから自動化に向けた製品やソリューションを発信している。円柱のパイプ側面に、円柱パイプを溶接するには高い技能が求められる。ブースでは、走行軸に高剛性な単軸ロボット(2軸)と垂直多関節ロボット(6軸)を組合せることでパイプの継ぎ手溶接を自動化したソリューションを提案。8軸同期位置制御により、さまざまなパイプ継手溶接プロセスが可能となる。

 TAIROAパビリオンでは、30日13時半から製品発表会と商談イベントが行われる。

 TAIROAは自動化やロボットにかかわる装置、機器、精密部品加工など約300社を対象とする協会。会員企業のスキルアップに向けて技術者資格制度などを行っている。iREX2023は、世界トップクラスの専門展として捉えており、イベントを通じて日台連携によるビジネス創出に期待している。

 またTAIROAがオフィスを構える台中市は搬送機器やモーターの生産拠点とする企業が多く、自動化に対する技術やノウハウの集積地となっている。

韓国・大田広域市から6社が出展

  • RAINBOW-ROBOTICSは、6軸の協働ロボットシリーズを提案
    RAINBOW-ROBOTICSは、6軸の協働ロボットシリーズを提案
  • NES&TEC(右)とNARMA(左)の二つのドローンメーカーが出展
    NES&TEC(右)とNARMA(左)の二つのドローンメーカーが出展

 韓国からは、大田広域市の「DAEJUN TECHNO PARK」と韓国ロボット産業協会(KAR)の呼びかけで集まった6社が「KーROBOT Pavilion」ブースで出展。同市はソウルから2時間程度に位置する、韓国随一の科学技術都市。iREX2023会場には物流やドローン、協働ロボットなどを手掛けるユニークな企業が集まっている。

 RAINBOW ROBOTICSは、韓国科学技術院(KAIST)のヒューマノイドロボット研究センターの研究チームが立ち上げた企業。ヒューマノイドロボット関連技術の応用製品を手がけており、サムスン電子の出資も受けている。

出品している6軸ロボットアームの協働ロボット「RBシリーズ」は、2019年に発売以来、工作機械へのワーク(加工対象物)の取り付け・取り外し、溶接、調理ロボットまで幅広く実績を獲得。海外への販路拡大もはじめている。

 担当のMyeong-Kyun Choi氏は「中核部品はすべて自社開発・製造しているほか、独自開発のソフトウエアを搭載している」とし、低コストでユーザーが使いやすいロボットを提供できると説明する。iREX2023会場では日本のシステムインテグレーターの提携先を求めているという。

 韓国でナンバーワンのドローンメーカーであるNES&TECは、防衛産業や政府機関向けの豊富な実績をアピールする。主に監視用や救急医療などで使われており、独自アルゴリズムによる制御技術で、高度なセキュリティーを確保する。すでに900台近くを販売しており、日本向けにもセキュリティーの強さなどをアピールする。

 ドローンメーカーではもう1社のNARMAも出展している。同社は韓国航空宇宙研究院のスピンオフ企業。チルトロータードローンを展示しており、最大時速120キロメートルタイプと同80キロメートルタイプなどをラインアップ。パトロールや医療関連での需要を見込んでいる。

→後編はコチラから

  • ピックアップ

必見 世界の製造業を支える企業Sponsored

  • ドイツへの事業進出を支援します!

    Germany Trade & Invest

  • もっと効率的に、より便利な自動化をご提案

    Standard Robots Co., Ltd.

  • その難作業の「自動化」諦めていませんか?

    エプソン販売株式会社

  • Easy to Useが向上!人協働ロボット

    株式会社安川電機

  • 様々なシーンで境界を超えるカワサキロボティクス

    川崎重工業株式会社

  • ピックアップ