機械要素と応用製品、最新テクノロジー集結(前編)

2023国際ロボット展(iREX2023)会場では、ロボットを構成する精密な機械要素、さらにそれらの応用製品まで活発な提案が行われている。知能・制御系、駆動系、センサー、コネクターや関連機器まで多彩なラインアップが並ぶ。海外からの来場者が「日本にしかない要素技術を見に来た」というように、iREXならではの最新テクノロジーが集結。ここでは、その一部を紹介する。

特有技術で精密制御を実現

ハーモニック・ドライブ・システムズは、ヒューマノイドロボット用の最新ロボットハンドを披露している。指の関節部分には、同社特有の減速機「ハーモニックドライブ」の超小型タイプと超小型サーボモーターを組み合わせたアクチュエーターを搭載。「精密な減速機と電動サーボ制御で、人間の手の感覚に近い、とても繊細な動きができる」 (幾田哲雄執行役員)という。

安川電機製のロボットと組み合わせたデモンストレーションでは野球のボールとペットボトルを交互につかむなめらかな動きに、多くの来場者が足を止めていた。

オールインワンの開発・製造力を発信

  • 運搬業務を自動化するAMRデモ
    運搬業務を自動化するAMRデモ
  • インホイールモーター
    インホイールモーター

 精密モーターなどを手がけるシナノケンシ(長野県上田市)は、コーポレートブランド「ASPINA(アスピナ)」の自律走行ロボット「AspinaAMR」のデモンストレーションを披露した。2輪で1トンの荷物を運べる「薄型インホイールモータ」などの要素技術を保有する中で、使い方提案として、オールインワン開発・製造する。

上位システムなどで高コストになるAMRが多い中で、同製品は導入しやすさに焦点を当て、初期投資を抑えた工程間搬送の自動化を実現する。保守部品も担保でき、サポート体制も万全だ。2024年2月に発売予定。

そのほか、一つの設定で多様なワークをつぶさず把持できるオートグリップ機能を持たせた電動ロボットハンドなども紹介し、なかなか進まない現場の自動化をサポートする。

高ノイズ保護性能持つ複合ケーブル

  • モジュラー制御システムを提案しているブース
    モジュラー制御システムを提案しているブース
  • 同社開発の複合ケーブル
    同社開発の複合ケーブル

 産業用可動ケーブルで豊富な実績を持つ金子コード(東京都大田区)は、ロボットや工作機械をつなぐ複数のコードをまとめた、新しい複合ケーブルの提案を行っている。制御ライン、大動力、補助動力など複数のケーブルはこれまでバラバラで扱いが煩雑なうえに、それぞれを設置するのに導入時間もかかる。独自のシールド技術と素材技術により1本化した複合ケーブルは、直径約19ミリメートルで、最大50メートルに対応する通信性能を持つ。

「工作機械やロボットを扱うユーザーなどに、取り扱いのしやすさをぜひ見てもらいたい。ユーザーに合わせた仕様で提供できるのも当社ならでは」(川嶋浩満事業統括本部エレクトロ事業部営業部 東日本エリアマネージャー)と、力が入る。

協働作業に安全を担保

 小森安全機研究所(埼玉県越谷市)はロボットや自動機周辺の危険箇所への立ち入りを監視・防止する3Dレーダー安全システム「LBK200シリーズ」を紹介していた。イタリアのインスペクトが開発し、同社が国内で販売する。危険箇所に人を感知するとロボットの動作速度を緩めたり、停止したりして危険を回避。安全度に関する国際規格のSIL2、Pldカテゴリー3に対応し、ロボットとの協働作業に安全を担保する。

 レーダーで監視するため、ほこりや煙、汚れに強く屋外でも使える。従来のセーフティーレーザースキャナーは光学デバイスのため上下の死角が多いほか、レーザー光を出すレンズが汚れたり粉塵が多い環境では誤作動が起きやすいなど課題があった。










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